よくある失敗例から対策を学ぼう
転職が必ず成功するとは限りません。「こんなはずではなかった」と苦い経験をしてしまった人もいます。なぜ失敗してしまったのでしょうか。失敗例から学んでいきましょう。
介護職員初任者研修の資格を取得していたAさんは家から近い職場に転職しようと考えていました。求人を探す方法はたくさんありますが、ちょうど折り込み広告に近所のデイサービスの求人が入っていたため、そこに応募しました。条件などは確認しましたが、退職してから転職活動をはじめて経済的な余裕がなく選り好みできる状況ではなかったため、他と比較せずに決めてしまったそうです。
しかし、入職してみると勤務年数が長いお局のパートさんや介護士を見下して接する看護師と一緒に働くことになり、人間関係は決して良好とはいえない雰囲気でした。また、デイサービスということで利用者の要介護度もそれほど高くないと考えていましたが、実際は要介護度が高い利用者も多く、1つの仕事を終わらせるのが精一杯な状況になってしまったのです。勤務時間内に業務が終わらない場合は残業になりますが、残業代は出ず給料そのものも思っているよりも低く設定されていました。
給料と仕事量が見合っていないため再転職も考えていますが、「また失敗するかもしれない」という考えもありなかなか行動を起こせていません。
Aさんの転職エピソードから失敗に至った理由を見ていきましょう。
元々Aさんは退職してから転職活動をスタートしたため金銭面の不安がありました。その不安を少しでも早く解消しようとして焦って進めたことが失敗につながってしまったのでしょう。金銭面の不安があるなら退職してからではなく働きながら転職活動をすることをおすすめします。生活費に余裕が生まれるためじっくりと考える時間も持てるからです。退職してから転職活動をする場合は前もって貯金をし、転職活動の計画を立てておきましょう。
また、Aさんは折り込み広告を見て応募していますが、広告に掲載されているのは一部の情報だけです。職場の人間関係や雰囲気など本当に知りたい情報は掲載されていません。Aさんは広告の内容だけで転職を決めてしまったことが失敗につながってしまったのです。事前に下調べをしておけば仕事内容に戸惑うことはなかったでしょう。「要介護度が高い利用者が多い」「業務量が多い」などは口コミを調べればわかった情報です。応募する前に施設や事業所のホームページ、口コミやキャリアアドバイザーからの情報など色々な角度から調べて、それからどうするかを判断するようにしましょう。
施設や事業所によっては見学や入職体験を設けているところもあります。実際に足を運んで確かめることで職場の雰囲気を感じることができるため、入職後にミスマッチを感じることも少なくなります。